建設業の経営課題・人材不足が急増 / 建設通信新聞

国土交通省は25日、建設業構造実態調査の結果を公表した。経営上の課題では、人材不足を挙げる意見が増加し、労働者の確保に対する懸念が浮き彫りになった。また、社会保険の加入や事業転換の状況も明らかになった。

                       
 保険の加入状況の調査結果では、医療保険の加入が84.5%、年金保険が83.7%、雇用保険が80.5%と、いずれも8割を超えている。いずれの保険も、資本金1000万円以上の法人は加入が90%を超えた一方、個人は40−50%台、1000万円未満の法人は70−80%台と、差が見られた。ただ、国交省では、企業に関するアンケートのため非正規社員の加入状況などを算定していない企業もあるとみており、正確な実態把握は別の調査でも実施していくとしている。

                        
 また直近3年間での事業転換の状況調査では、「建設業の他の業種」(40.4%)、「リフォーム・維持修繕」(40.2%)の比率が高かった。このほか、「農業」は7.2%、「不動産業」が6.3%、「環境」が6.0%などとなっている。

                               
 経営上の課題についての質問(複数回答)には、「利益率の低下」が86.2%でトップ。次いで「民間需要の減少」(75.3%)、「コストダウン要請の高まり」(65.7%)と続いた。多くの課題は3年前の前回からポイントが減少した一方で、「人材不足」が11.0ポイント増(39.0%)、「後継者問題」が5.7ポイント増と、伸びが目立つ結果となった。人材確保への課題が表面化してきた格好だ。

                                   
 人事面の対策を見ると、「定年延長」が41.5%、「中途採用」が38.9%、「熟練従業員の再雇用」が31.1%と高い割合を占めた。労働力に関する調査結果をみても、1社当たりの平均従業者数は前回から8.9%減少した14.3人。業種別では、建築が30.8%減(11.0人)と最大の下げ幅となっているほか、軒並み減少している。資本金階層別でみると、個人が22.4%減と最大の減少率となった。

                                    
 調査は、建設業の基本的構造の分析と構造改善に関する施策の立案などのために3年ごとに実施。建設業許可を受けている企業から抽出した1万2009社を対象に実施した。

                                       
 調査基準日は2011年3月31日。有効回答7294社のうち、建設業専業企業数(推定約18万社)を母集団として復元し、集計値とした。今回から、08年に実施した「建設業構造基本調査」から名称を変更している。

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