標準見積書、9月に一斉活用 / 建設通信新聞

 国土交通省や業界団体などで構成する社会保険未加入対策推進協議会のワーキンググループ(WG)が18日に開かれ、下請企業から元請企業に提出する標準見積書を9月をめどに各団体が一斉に活用することを申し合わせた。標準見積書は、昨年11月から順次活用することになっていたが、法定福利費の計算方法や根拠が不明瞭という課題もあるため、考え方を整理し直した上で活用を始める。国交省でも、法定福利費の算出方法や取り扱いなどを近く発注機関や業界団体に通知するほか、法定福利費が技能労働者の保険加入に結び付いているか把握できる仕組みも検討する。

                       
 WGでは、標準見積書の活用による法定福利費の内訳明示についての課題と対応策を議論。運用面での課題として、各団体で法定福利費の算出方法や根拠にバラツキがあり、公正な金額が算出されているのか明確でないとする意見があったほか、専門工事業団体からは法定福利費の確保の代わりに労務費を引き下げないか懸念する意見も寄せられた。

                             
 このため、国交省は、法定福利費の算出方法や取り扱いを改めて明確化する。WGでまとめた対応策では、法定福利費の算出で金額だけでなく計算式も明示することを求めたほか、計算方式として労務費の総額に法定福利費の保険料率を掛ける方法を基本とした。また、歩掛かりの根拠に客観的なデータの活用や出典の明示を求める。

                                   
 国交省でも、直轄工事で法定福利費が占める平均的な割合を公表するほか、民間発注者や地方自治体に対しても受注者が提示する法定福利費を尊重してもらうことを要請する。さらに、支払われた法定福利費が技能労働者の保険加入につながっているか実態を把握できるような仕組みを検討する。

                         
 標準見積書の活用は、対応策への取り組みが一定程度進むことを見込み、9月にも一斉に開始することにした。統一的に取り組むことで各団体による手続きの効率化も狙う。このほか、各団体による説明会開催や、国交省によるリーフレットの配布、相談窓口の活用などで一斉活用を周知する。

                      
 WGで報告された各団体による標準見積書の作成状況によると、55の対象団体のうち44団体で作成済み。残る11団体も作成中としている。作成済みの団体も含め、今回示された対応策に沿って必要な修正を加える。会員団体への周知については30団体が実施しており、ホームページに掲載しているのは14団体だった。