契約書

「長年の古い付き合いだから」今さら契約書を作成するなんて、
「取引先が作成する契約書」へ押印しているだけって事はありませんか?

契約書は、自社と取引先の権利・義務、責任関係を明確にし、
「いざ」という時のリスクを最低限に抑えるための重要なツールなんです。

自社に不利となり得る思わぬ落とし穴はないのか、
想定したリスクにどう備えるか。等々、
予防法務に精通した行政書士として法的な立場から
契約書のチェックや作成をお勧めします。

建設業を営む者には、契約書(請負契約)を締結する義務があります。

建設工事の請負契約 (建設業法第18条)

建設工事の請負契約の当事者(注文者及び請負人)は、
各々の対等な立場における合意に基づいて公正な契約を締結し、
信義に従って誠実に履行しなければなりません。

請負契約のみなし規定 (建設業法第24条)

委託その他何らの名義をもつてするを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する
契約は、 建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。

建設工事の請負契約書作成 (建設業法第19条)

建設工事の請負当事者は、対等な立場における合意に基づいて、
契約書を作成し署名又は記名押印して相互に交付しなければならない。
なお、契約の当事者とは、発注者と元請負者だけでなく、
下請契約の当事者である元請負者と下請負者も含まれます。

1 工事内容
2 請負代金の額
3 工事着手の時期及び工事完成の時期
4 請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めを
するときは、その支払の時期及び方法
5 当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは
一部の中止の申出があった場合における工期の変更、
請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
6 天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に
関する定め
7 価格等の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
8 工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
9 注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を
貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
10 注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに
引渡しの時期
11 工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
12 各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、
違約金その他の損害金
13 契約に関する紛争の解決方法

原則として契約書の作成が義務づけられています。
しかし、建設業者間の実際の取引現場においては、
注文書及び請書の形態により請書契約が締結されている場合が多いことがあり、
平成12年6月29日付け建設省経建発第132号建設省建設経済局建設業課長通知により、
注文書及び請書の形態による請負契約にかかる法第19条との関係について
下記のとおり整理されていますのでご確認ください。

当事者間で基本契約書を締結した上で、
具体の取引については注文書及び請書の交換による場合

1 基本契約書には、個別の注文書及び請書に記載される事項を除き、法第19条第1項
各号に掲げる事項を記載し、当事者の署名又は記名押印をして相互に交付すること。
2 注文書及び請書には、法第19条第1項第1号から第3号までに掲げる事項、
その他必要な事項を記載すること。
3 注文書及び請書に記載されている事項以外の事項については、
基本契約書の定めによるべきことが明記されていること。
4 注文書には注文者が、請書には請負者がそれぞれ署名又は記名押印すること。

注文書及び請書の交換のみによるとき

1 注文書及び請書のそれぞれに、同内容の基本契約約款を添付又は印刷すること。
2 基本契約約款には、注文書及び請書の個別的記載事項を除き、
法第19条第1項各号に掲げる事項を記載すること。
3 注文書又は請書と基本契約約款が複数枚に及ぶ場合には、割印を押すこと。
4 注文書及び請書の個別的記載欄には、法第19条第1項第1号から第3号までに
掲げる事項その他必要な事項を記載すること。
5 注文書及び請書の個別的記載欄に記載されている事項以外の事項については、
基本契約約款の定めによるべきことが明記されていること。
6 注文書には注文者が、請書には請負者がそれぞれ署名又は記名押印すること。

建設工事の見積り等 (建設業法第20条)

建設業者は、建設工事の請負契約を締結するに際し、
適正な請負価額の設定や注文者の保護、ダンピングの防止や下請業者の保護といった観点から、
工事の種別ごとに材料費、労務費、共通仮設費、現場管理費、機械経費等の内訳について
明らかにした見積りを行うよう努めなければなりません。また注文者から請求があったときは、
請負契約が成立するまでの間に、見積書を提示しなければなりません。

工事1件の予定価格  見積期間
 500万円未満  1日以上
 500万円以上 5,000万円未満  10日以上
 5000万円以上  15日以上

契約の保証 (建設業法第21条)

建設工事の請負契約において、請負代金の前金払の定めがある場合には、
注文者は、建設業者に対して前金払をする前に保証人を立てることを請求することができます。
ただし、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事及び
「公共工事の前払金保証事業に関する法律」に規定されている保証事業会計の保証に係る工事は
対象になりません。

この場合、建設業者は次のいずれか一方の保証人を立てなければなりません。
ア.建設業者の債務不履行の場合の遅延利息、違約金その他の損害の支払の保証人(金銭保証人)
イ.建設業者に代わって自らその工事を完成することを保証する他の建設業者(工事完成保証人)
なお、注文者の請求に対し、建設業者が保証人を立てないときは、
注文者は、契約の定めにかかわらず、前金払をしないことができます。

一括下請負の禁止 (建設業法第22条)

建設工事の請負契約において、請負代金の前金払の定めがある場合には、
注文者は、建設業者に対して前金払をする前に保証人を立てることを請求することができます。
ただし、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事及び
「公共工事の前払金保証事業に関する法律」に規定されている保証事業会計の保証に係る工事は
対象になりません。

一括下請負は、発注者が建設工事の請負契約を締結するに際して、
建設業者に寄せた信頼を裏切ることになることなどから、
建設業法では、いかなる方法をもってするかを問わず、
建設業者が受注した工事を一括して他人に請け負わせること、
他の建設業者が請け負った工事を一括して請け負うことを禁止しています。 
                 この規定は、民間工事については、
あらかじめ発注者の書面による承諾を得ている場合は適用されませんが、
公共工事については全面的に禁止されています。

次のような場合は、
元請負人がその下請工事の施工に実質的に関与していると認められるときを除き、
一括下請負に該当します。
・請け負った建設工事の全部又はその主たる部分を一括して他の業者に請け負わせる場合
・請け負った建設工事の一部分であって、他の部分から独立してその機能を発揮する
・工作物の工事を一括して他業者に請け負わせる場合

「実質的に関与」とは?
元請負人が自ら総合的に企画、調整及び指導(施工計画の総合的な企画、
工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、
工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、
下請負人に対する技術指導、監督等)を行うことをいいます。
単に現場に技術者を置いているだけではこれに該当しません。
現場に元請負人との間に直接的かつ恒常的な雇用関係を有する適格な技術者が置かれないときには、
「実質的に関与」しているとはいえないことになりますので注意してください。

不当に低い請負代金の禁止 (建設業法第19条の3)

注文者は、自己の取引上の地位を不当に使用して、
その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額で、
契約を締結してはなりません。

不当な使用資材等の購入強制の禁止 (建設業法第19条の4)

注文者は契約締結後、自己の取引上の地位を不当に使用して、
その注文した建設工事に使用する資材若しくは機械器具又はこれらの購入先を指定し、
これらを請負人に購入させて、その利益を害してはなりません。

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