内容証明郵便

内容証明郵便とは、○年○月○日に誰から誰あてに、
どのような内容の文書が、差し出されたかを差出人が作成した謄本によって、
郵便事業株式会社(旧日本郵政公社)が証明してくれるものです。

近年では、電子証明サービスも行っており24時間受付を行ってくれております。
文書の保管期間は、5年関です。
その内容の手紙を確かに送ったという事実の証明であり、
書いてある文書の内容については、法的に正しいのかどうかは、
証明してくれるものではありません。

また相手方には、何月何日に配達されたのかを手紙の差出人が証明するには、
一般書留と配達証明(旧配達記録)で郵送する必要があります。

この配達証明は、後日差出人の元に、はがきが送られてきます。
これによって、受取人が手紙を受け取ったことや手紙を受け取った日付などを、
郵便事業株式会社が証明してくれますので、
受取人が確かに受領したことについて、法的に証明とすることができます。

一般書留と配達証明ではなく特定記録で郵送してしまいますと、
各種法令で規定されている「引受け及び配達の記録をする
郵便又はこれらに準ずるもの」には該当いたしませんので、ご注意ください。

● 内容証明(郵便)の効果(メリット・デメリット)

メリット

  1. 証拠力を得る効果

    法的な効果が発生する重要な意思表示や通知の証拠を残したいときには、
    内容証明郵便が利用されることがあります。
    例として、差出人が確かにその意思表示をしたことの証明として、
    契約の解除・取消し、クーリングオフ、
    債権放棄、時効の中断などに有効な手段といえます。

  2. 心理的な圧力を加える効果

    内容証明郵便には、郵便局(郵便事業株式会社)が
    手紙の内容を証明してくれるだけなので法的な強制力はありません。
    しかし、強い決意の表示や態度を表す内容証明郵便をもらった相手は、
    心理的な圧力やプレッシャーを感じるでしょう。これにより、
    相手は行動を起こさざるを得ない状況になることがあります。
    例として、内容証明郵便が送られてきたということは、
    (返済しなければ・受け渡さなければ)面倒なことになるかもしれないと、
    相手方が、貸金の弁済・売買代金の請求、
    損害賠償について請求していたものに応じてくることがあります。
    また、文面の最後に行政書士等の職印が押されていれば、
    なお一層の心理的な圧力がかかるものと思われます。

  3. 確定日付を得る効果

    例として、債権譲渡の通知など日付が重要な証拠として
    必要な時に役立ちます。
    後に記載・押印された日付が確固たる証拠となります。

デメリット

  1. 不利な証拠になる効果

    例として、「相手方に貸したお金を全く返してくれないし督促にも応じず、
    誠意を全く感じない」からといって、あまりに暴力的な表現を使ってしまうと、
    逆に受取人が「脅迫を受けた」との証拠として
    警察に採用されてしまうこともあります。
    それによって、差出人が加害者になってしまう恐れがあります。

  2. 相手の態度を硬化させてしまう効果

    例として、差出人が(建物等の)明渡しの請求や損害賠償を請求するときに、
    受取人宛てに、いきなり内容証明を送りつけてしまうと、
    実は、受取人は誠意を持って対応しようとしていたのに、
    逆に差出人から宣戦布告をされたものと思い込んでしまい、
    態度を硬化させて事態が悪化してしまうことがあります。

もちろん相手の対応によるのですが、できるだけ前向き
(平和的・紳士的)に話し合って解決したいと考えている人に対しては、
内容証明を送付するのではなくて、通常のお手紙や電話、
直接の話し合いで解決の道を探った方がいいこともあります。

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