NPO法人設立

NPO法人とは、Non Profit Organizaitionの略語で
「民間の非営利組織」「民間の非営利団体」
つまり営利を目的としない社会貢献活動を行う組織のことです。

近年、福祉・保険・医療・環境保全等様々な分野で
NPO法人による活動が注目されています。
しかし、「営利を目的としない団体」といって
NPO法人をボランティア団体と勘違いしている人が相当おられますが、
「営利を目的としない団体」といっても収益事業が全くできないわけではありません。
「営利を目的とした事業」を「その他の事業」と呼び、
NPO法人であっても営利事業を行うことができます。

NPO法人設立の要件

この法律に基づいて、特定非営利活動法人になれる団体は、
次のような要件を満たすことが必要です。

① 特定非営利活動(注)を行うことを主たる目的とすること
 
② 営利を目的としないものであること
 
③ 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと
 
④ 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
 
⑤ 宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと
 
⑥ 特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、
反対することを目的とするものでないこと
 
⑦ 暴力団又は暴力団若しくはその構成員若しくはその構成員でなくなった日から
5年を経過しない者の統制の下にある団体でないこと
 
⑧ 10人以上の社員を有するものであること

(注)特定非営利活動

1. 次に該当する活動であること(法律の別表)

① 保険、医療又は福祉の増進を図る活動
 
② 社会教育の推進を図る活動
 
③ まちづくりの推進を図る活動
 
④ 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
 
⑤ 環境の保全を図る活動
 
⑥ 災害援助活動
 
⑦ 地域安全活動
 
⑧ 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
 
⑨ 国際協力の活動
 
⑩ 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
 
⑪ 子どもの健全育成を図る活動
 
⑫ 情報化社会の発展を図る活動
 
⑬ 科学時術の振興を図る活動
 
⑭ 経済活動の活性化を図る活動
 
⑮ 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
 
⑯ 消費者の保護を図る活動
 
⑰ 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動

2. 不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものであること。

3. その他

* その他として理事3人以上および監事1人そして社員が10人以上必要になります。
* 「その他の事業」(収益活動)で得た収益は
  全額本来の事業のほうに入れなければなりません。
  NPO法の運用指針によれば、その他の事業の支出額は
  総支出額の2分のⅠ以下であることが必要とされています。

NPO法人の収益事業

NPO法では余ったお金を社員で分けてはいけないと規定されています。
NPOの「非営利 とは利益を分配しないという意味ですので、
これを守っていれば事業収入を得ても職員が 給料をもらっても全く問題がありません。
ですからボランティアで無報酬である必要はありません。
但し、決算でお金が余っても理事や会員に分配することはできず、
次期に繰り越されます。

NPO法人の税制

NPO法人も法人税の課税対象となります。
主な対象は、法人税、法人住民税、法人事業です。
これらの税は「法人税法上の収益事業」にあたる場合
課税されるのが原則になっています。
「特定非営利活動」による本来の事業であっても
法人税法に定める33種の収益事業に該当すれば、
法人税の対象になりますが、「その他の事業」でもこれに該当しなければ
法人税の対象とはなりませんので注意が必要です。

なお、法人税法上の収益事業には、継続して事業場を営まれる以下の33業種です。

(法人税法第2条13号、法人税法施行令第5条第1項)。
物品販売業、不動産販売業、金銭貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、
通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、
料理店業その他の飲食業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、
浴場業、理容業、美容業、興行業、遊戯所業、遊覧所業、医療保険業、
一定の技芸教授業等、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供等を行う事業。

NPO法人設立に要する時間

NPO法人を設立することを決められ、設立の認証申請をしますが、
認証されるまで4ヶ月以上かかるのが通常です。
株式会社設立の場合ですと3週間程度で設立できますが、
NPO法人は、認証後の設立登記を含めて考えた場合
6ヶ月ぐらいかかると見込んでおくほうがよいでしょう。

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