施工時にFRP防水が発火 / 日経BP

大阪府下では昨年、繊維強化プラスチック(FRP)防水での火災事故が数件発生した。いずれもトップコートや中塗り材を固める硬化剤の誤使用が原因だ。硬化剤は、FRP防水で一般的に使われている「メチルエチルケトンパーオキサイド混合物」だ。

 トップコートや中塗り材は乾燥までかなりの時間を要するため、硬化剤を入れることで自己発熱させて乾燥を早めている。発熱作用を持つので、硬化剤の取り扱いについては細かな禁止事項が定められている。

  「注意書きを守って施工すれば危険な材料ではないが、ちょっとした不注意が火災を招いた」と大阪市消防局火災調査担当官の西田秀光さんは話す。

左は、トップコートや中塗り材の硬化剤「メチルエチルケトンパーオキサイド混合物」。同剤は、ポリエステル樹脂系防水にも使用されている。右は、事例3で使われていた促進剤の「ナフテン酸コバルト」(写真:堺市消防局)
左は、トップコートや中塗り材の硬化剤「メチルエチルケトンパーオキサイド混合物」。同剤は、ポリエステル樹脂系防水にも使用されている。右は、事例3で使われていた促進剤の「ナフテン酸コバルト」(写真:堺市消防局)
 
            原因はつぎ足しと異物混入
 

 事例1は、浴室で中塗り材を施工中、ポリバケツの中に硬化剤を3回つぎ足してローラー刷毛でかくはんした後、その場を離れた5~6分後に発火。ポリバケツが焼失して、床材が燃えた。

 ここでの不注意は2点ある。一つは硬化剤を規定量以上、つぎ足したことだ。

 硬化速度が早まり、温度が急上昇した。取り扱い説明書には、「発熱中の樹脂に硬化剤をつぎ足すと、短時間で硬化が始まって高熱になり、発火する危険がある」と記載されている。

 二つ目は異物の混入だ。ポリバケツの跡には養生シートなどの繊維が混ざっていた。「ローラー刷毛を使ってかくはんしていたので、刷毛に付着していた異物が混入してしまったのだろう」と西田さん。

事例1の現場写真。2009年6月に大阪市内の共同住宅で発生した。浴室の防水施工中に発火し、床の一部を損傷した。(写真:大阪市消防局)

事例1の現場写真。2009年6月に大阪市内の共同住宅で発生した。浴室の防水施工中に発火し、床の一部を損傷した。(写真:大阪市消防局)
 
                   1分で発火することも

 

  下の事例2は、トップコート塗装の終了後、主材と硬化剤が混ざった中に柄杓として使っていた空き缶を投げ入れところ、発火した。

  硬化剤を扱う器具には、ステンレス、ガラス、プラスチック以外の材料を使用してはならない。にもかかわらず、余った主材と硬化剤が固まったポリバケツの中に、硬化剤入りのアルミ缶と投げ入れて放置したことが原因だ。

事例2の現場写真。09年3月に大阪市内の屋内車庫で発生した。主材と硬化剤をかき混ぜてから38分後に出火した。(写真:大阪市消防局)
事例2の現場写真。09年3月に大阪市内の屋内車庫で発生した。主材と硬化剤をかき混ぜてから38分後に出火した。(写真:大阪市消防局)

 

 事例3は、硬化剤が入ったペットボトルに、直接混合してはいけない促進剤を誤って混ぜたうえ、日当たりのいい密閉した部屋の窓際に置いて高温にさらされたことで発火した。材料を置いていた部屋の1m2が焼けた。  3事例とも、施工者がちょっと目を離したすきに燃え広がっている。硬化剤が化学反応を始めて1~2分で発火することも、再現実験でわかった。「工事する際は水や消火器を用意して、最後まで目を離さないようにしてほしい」と同局の火災調査担当官の林英士さんは訴える。

 事例3の再現実験の写真。09年4月に、堺市内の共同住宅のベランダ防水工事中に火災が発生した(写真:堺市消防局)

事例3の再現実験の写真。09年4月に、堺市内の共同住宅のベランダ防水工事中に火災が発生した(写真:堺市消防局)

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