公共事業費、11年度以降は削減せず / 建設工業

前原誠司国土交通相は5月30日、東北地方の視察で訪れた宮城県内での記者会見で、11年度以降の公共事業費について、削減は行わず10年度予算の水準を維持する考えを明らかにした。民主党が昨年の衆院選のマニフェスト(政権公約)で掲げた「公共事業費を4年間で1・3兆円削減する」との目標を10年度予算で達成できたとの認識を示し、「3年間は予算をしっかりと維持しながら必要な公共事業を行う」と述べた。凍結している新規事業について、精査をした上で必要なものは11年度予算で事業化する方針も表明した。
 子ども手当満額支給などのために11年度は公共事業費の削減がさらに進むとの観測を打ち消した形で、今後3年間、公共事業費を横ばいで推移させれば、継続事業の完成や、PFI・PPP(公民連携)など民間資金の導入により、新規事業を実施する余地が生まれるとの見方も示した。
 ただ新規事業については、「維持管理に相当お金がかかるので、かなり抑制的にならざるを得ない。限られた予算の中では誰にでもいい顔ができるわけではない」とも指摘。事業評価で優先順位を明確に示すなど事業の絞り込みを進めていく意向を表明した。さらに、従来の3便益(時間短縮、コスト削減、事故軽減)だけの事業評価では「人口の少ない地域が不利になる」との認識を示し、「ミッシングリンクの解消、観光など新たな付加価値を含めて事業評価を進めていく」と語った。

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