姿消す「環境のシンボル」 / 日経BP

環境行政のシンボルに――。こうした目的で設置した風車が思わぬトラブルを招いている。

 兵庫県が1100万円を投じて、県庁舎の屋上に1基の風車を設置したのは2006年3月のこと。ところが2年半後の08年10月、風車は撤去される運命となった。

 同県環境政策課の団野礼子氏は、当初の経緯を次のように振り返る。「環境に対する県民の意識を啓発するのが狙いだった。それゆえ、人目に付きやすい屋上に取り付けた」

 県は05年、職員で構成する風車の選定委員会を設置。視認性の良さなどを基準に機種を絞り込んだ。

 選ばれたのは、風向きに左右されず発電効率が高い帯状の「ダリウスローター」と、微風でも回転する筒状の「サボニウスローター」を組み合わせた定格出力5kWの風車だ。イーアンドイー社(大阪市)が製造して、協和エクシオが設置した。

 ところが07年から08年にかけて、茨城県つくば市の小学校や三重県伊賀市にある国土交通省の無線中継所に設けた同型の風車が破損して脱落する事故が相次いで発生。県は風車が屋上から落下すると危険だと判断して、撤去に踏み切った。撤去費用は協和エクシオが負担した。

つくば市の小中学校では現在、安全のため風車を取り外している。同市は風車が想定通りに発電しなかったとして、基本設計を担当した早稲田大学などと裁判で争っている(写真:日経アーキテクチュア)
 
 点検や修理に5年間で1000万円以上

 兵庫県が風車を撤去したのは、安全上の理由だけではない。

  毎年の定期点検や分解修理などで09年度以降、5年間で計1000万円以上掛かることが判明したからだ。風車の設置費用に匹敵する金額となる。さらに、風車が発電した直流の電流を交流に変換する装置の電力使用量が、風車の発電量よりも多いことも問題となっていた。

  「機種を選定する際に、外部の専門家を加えるなどして慎重に検討すべきだった」と団野氏は悔やむ。

2010年5月に撮影した兵庫県の庁舎。屋上にあった「環境のシンボル」はもうない(写真:日経アーキテクチュア)

 

 維持管理費が重荷となっている風車は少なくない。

  例えば、静岡県が04年3月、同県御前崎市に4億5000万円掛けて建設した定格出力1950kWのデンマーク製の大型風車。故障した部品の調達に時間を要すなどして、風車が計画通りに稼働できないといった問題が生じた。

  1年目の04年度は5700万円の売電収入があったが、メーカーの保証が切れた06年度以降は稼働率が低下。08年度の収入は1377万円にとどまった。

  追い討ちをかけるように、08年12月には落雷を受けて風車の発電機が故障。県が約4000万円の修理費を工面するまでの約1年間、運転を停止したままだった。

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