戸建住宅改修のツボ / 日経BP

納谷学氏、納谷新氏によるこの連載も今回で最終回。手間のかかる戸建住宅の改修設計に建築設計事務所が取り組む意味とは──。(日経アーキテクチュア編集部)

 ここ数年、「リノベーション」という言葉を耳にする機会が増えた。修繕や仕様の変更を意味する「リフォーム」に対し、空間の価値そのものを変化させる大掛かりな改修を指している場合が多い。我々が初めて手掛けた戸建住宅の改修プロジェクトである「s-tube」を雑誌に発表したのは1999年。当時はまだ、リノベーションという言葉は一般的ではなかった。

 神奈川県茅ヶ崎のs-tube(1999年)。1973年に建てられた軽量鉄骨造プレハブ住宅(ナショナル住宅産業のRN型)の東西外壁と間仕切りの一部を抜いて、スパンドレルの直方体のチューブを差し込んだ。チューブは木造軸組み。外壁仕上げやサッシなど建物の外皮はそのまま利用し、開口部の内側にルーバーや紙窓を取り付けて、新旧部分を対比させた(写真:吉田 誠)

神奈川県茅ヶ崎のs-tube(1999年)。1973年に建てられた軽量鉄骨造プレハブ住宅(ナショナル住宅産業のRN型)の東西外壁と間仕切りの一部を抜いて、スパンドレルの直方体のチューブを差し込んだ。チューブは木造軸組み。外壁仕上げやサッシなど建物の外皮はそのまま利用し、開口部の内側にルーバーや紙窓を取り付けて、新旧部分を対比させた(写真:吉田 誠)

 

 当時は建築家のなかにも、住宅改修の仕事を「二軍」扱いしている人が少なくなかった。我々がs-tubeの資料をいくつかのメディアに送った時には、「全く相手にされないかもしれない」と覚悟していた。

  ところがs-tubeは20冊以上の雑誌に取り上げられ、それを見たクライアントから改修の依頼が舞い込んだ。同業者からも多くの問い合わせがあった。

  改修のきっかけは単純だ。「もったいない」と思ったのである。まだまだ使える住宅を壊すことに違和感を感じた。スクラップ&ビルドは古いと思った。住宅は20数年で壊して建て替えるのが当たり前だと、日本ではいつの間にか常識になっていたが、欧米では築年数が古い住宅が大切に使われている。築100年の住宅も珍しくない。

s-tubeから12年。今ではどうだろう。不動産の売り文句で「リノベ-ション物件」とうたわれるほど、住宅改修は一般的になった。

クライアントの意識が激変

 この変化はどうして起こったか。我々が考えるに、三つの要因がある。一つはメディアが大々的に取り上げるようになったこと。以前は水回りの変更や壁紙を張り替える程度のリフォームを取り上げていたメディアが、空間を一新し生活のスタイルを換えるような提案を取り上げるようになった。

 今までになかったリノベーション手法がメディアで発信されると、それを見た建築家やクライアントがさらなる可能性を見いだすという連鎖が、変化を加速させた。

 二つ目は環境問題である。当たり前だが、家は建てるより建てない方が環境に対する負荷は小さい。だが、現実に家は必要だ。改修であれば、新築より解体量が少なく、使用する材料も少なくて済む。二酸化炭素の排出量が格段に少ない。

 環境問題は世界的な関心事となり、エンドユーザーが家を選ぶ際の判断基準の一つとなりつつある。象徴的なのが、自分がそれまで住んでいた家を改修するのではなく、中古物件を新たに買って改修しようという人が増えてきたことだ。我々の事務所では、中古物件を買う前に、クライアントと一緒に現地を見に行くこともある。

 3つ目は経済的理由。特に2008年のリーマンショック以降、確実に改修の依頼が増えた。

 このように、ここ10年ほどの間に、住宅に対する価値観は大きく変わった。日本には住宅のストックが5000万戸以上あるといわれている。すべてをリノベーションできるとは思わないが、この中に原石を発見してダイヤモンドにすることも建築設計者がすべき仕事だと考えている。

 日経アーキテクチュア7月25日号の「戸建住宅改修のツボ最終回:住宅改修は『仕事』になるか」では、このほか、住宅改修の設計料などについて解説している。

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