木造戸建てをむしばむ生物劣化 / 日経BP

シロアリの食害、木部の腐朽――。近年、築10年未満など築浅の木造住宅で、そんな「生物劣化」が数多く見つかっている。従来はある程度の築年数を経てから生じる例が通常だった。いずれも放置しておくと、木造住宅に致命傷となる被害を与える。日経ホームビルダーが2010年7月~11年7月号で掲載した連載「建物はこう喰われる」の監修者、近江戸征介氏(建築事務所CACHI代表)に、生物劣化による木造住宅の劣化プロセスを聞いてみた。
—————————————————————————
 戸建て住宅の木部の腐朽や蟻害といった現象は、今に始まったことではありません。「なぜ木が腐るのか」という問いに答えるなら、端的に言って「乾いていないから」。木材腐朽菌はどこにでも存在する「常在菌」。菌を駆逐するより、木を乾かして菌の繁殖を防ぐほうがはるかに容易です。木材には、乾燥した空気に触れていれば平衡含水率まで乾くという特性があります。雨から保護し、乾燥した外気が常に当たるようにするだけで、木材はずっと初期性能を保てるのです。

軟腐朽菌に侵された土台材。アンカーボルトやくぎも、菌が分泌する有機酸で溶けてしまう(写真:近江戸 征介)
軟腐朽菌に侵された土台材。アンカーボルトやくぎも、菌が分泌する有機酸で溶けてしまう(写真:近江戸 征介)

 
 外壁では現在、サイディング仕上げの乾式工法が主流です。しかし下地の通気層の施工については、まだ理解が足りていません。通気工法には空気が下から入り上から抜けるという、いわゆる「煙突効果」があります。壁内の空気を動かし、主要構造部の木部を乾かすパッシブでとてもシンプルな原理です。伝統建築が長持ちする理由にも似ていて、上手に利用すれば木造住宅の寿命は飛躍的に延びるでしょう。

  しかし施工現場では、「透湿防水シートを張る順序を間違える」「シートがたるんだ状態のまま胴縁で押さえてしまう」など、初歩的なミスが頻発して、それが壁体内結露を誘発しています。雨漏りのように見えて、実は結露被害の疑いが濃いトラブル例は結構多い。施工者が原理を理解できていないとしか思えません。私は、外壁下地処理が終了した段階で必ず検査するようにして、施工不良をこの時点で是正すべきだと思います。外壁を取り付けてしまった後では、すべてが隠れてしまいますから。

イエシロアリに徹底的に食われたベイマツ製の横架材。年輪に沿って柔らかい部分だけが食われた(写真:近江戸 征介)
イエシロアリに徹底的に食われたベイマツ製の横架材。年輪に沿って柔らかい部分だけが食われた(写真:近江戸 征介)

 
 他方、シロアリのうち日本国内で圧倒的に多いのはヤマトシロアリ、次いでイエシロアリ。前者は腐朽の問題にも関係します。私は、木材が湿って腐朽し、そこをヤマトシロアリが食べるというパターンが一番やっかいだと感じます。腐朽するほど含水率が高い木材は、ヤマトシロアリの格好のエサとなります。そうしたエサ場がシロアリを活性化させ、大きな食害につながる。私もこのような「複合的生物劣化」が起きている現場をいくつも見てきました。

  イエシロアリは平均気温が高い地域でしか活性化しにくいのですが、ヤマトシロアリの10倍近い大コロニーを形成し、木造住宅に徹底的な被害を与えます。これも注意すべきですが、肝心な対策はヤマトシロアリとあまり違いがありません。まずベタ基礎で物理的に建物を地面から隔絶し、それでもなお侵入してきた集団を建物内部に入れないということ。そして、床下の通気を一定以上に保つということ。シロアリは風のある場所を嫌う傾向があるので侵入されても木部に到達できないか、到達が遅れます。薬剤だけに頼るのではなく、床下を定期的に点検すれば済むようにすべきです。(談)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

大阪府行政書士会 旭東支部所属 (大阪市都島区・鶴見区・城東区・旭区)            東洋法務総合事務所の B l o gへようこそ。

当事務所は大阪府大阪市城東区にある行政書士事務所です。            建設業許可に関する全般(新規・更新申請・経営事項審査・入札参加資格審査・業種追加・決算変更届など)・産業廃棄物収集運搬業許可や電子定款認証に対応した法人・会社設立を専門に取扱う行政書士事務所です。補助金や助成金または決算などについても他士業(弁護士、弁理士、司法書士、税理士、社労士、土地家屋調査士など他多数)と提携していますので連携してサポートすることが可能でワンストップサービスの実現を目標に日々励んでおります。

ホームページに戻る                                      →  https://www.to-you-lawyer.com/  こちらをクリックしてください。

大阪府行政書士会会員 建設業許可の全般、法人(会社)設立の専門 行政書士 東洋法務総合事務所は大阪市城東区にある行政書士事務所です。 行政書士 東洋法務総合事務所のトップページに戻る
〒536-0006 大阪府大阪市城東区野江2丁目3番4号

TEL.06-6786-0008 FAX.06-6955-8923                                                                                                   お電話でのお問合せ受付時間 / 平日9:00~18:00                                 (土日祝は、原則として休業させていただいております)

タイトルとURLをコピーしました