クレームに学ぶ / 日経BP

日経ホームビルダーは、住宅の新築やリフォームの際に実務者と顧客の間で発生したトラブルの事例とその教訓を、「クレームに学ぶ」として連載しています。ここでは、2013年4月号に掲載した内容の一部を紹介します。

 Aさん夫妻は、住宅会社B社の建売住宅の見学会に出掛けた。間取りが気に入らなかったこともあって迷っていると、不動産仲介会社C社の営業マンが「近くに更地も売り出されている」と説明。予算内で希望の間取りや設備を取り入れた住まいができると聞いたAさんは、「それなら」と注文住宅を建てる気になった。

 C社を介してB社から土地を購入した後、Aさんは勧められるままC社とコンサルティング契約を結び、住宅プランの打ち合わせを重ねることに。そのうちにAさんは、C社に家を任せようと考えるようになった。契約時にC社はB社の担当者を連れてきたが、AさんはC社に伝えた要望がかなうのならとの思いで、B社と請負契約を結んだ。

 その後、改めてB社との契約内容などを確認したところ、C社との間で決めたものとはあまりにも懸け離れたものにみえた。「だまされた」と感じたAさんはC社に抗議。B社に対しては、土地購入を含む全ての契約を白紙に戻すように求めるほどのトラブルに発展した。

引き継ぎのまずさは致命傷になることも。複数の会社が関わる場合は、建て主に役割分担を説明し、要望を確認することが重要だ(イラスト:柏原昇店)
                                     
引き継ぎ時の対応がカギ
                 
 建て主と住宅会社の間に不動産会社が関わる場合、建て主からすると、不動産会社と住宅会社の役割分担が分かりにくい場合がある。取り上げた事例では、AさんはC社としか打ち合わせをしていなかったので、B社が設計・施工することを理解できていなかった。要望がB社の担当者に十分に伝わっていなかったことが判明して、さらに不信感が増したようだ。

 「グループ会社などでも、住宅会社が不動産会社から業務を引き継ぐことはあるだろう。そのような場合はまず、住宅会社側が建て主に対して両社の役割分担を説明して理解を得る。その上で今後の工程を提示し、仕様などの要望を丁寧に確認する努力が欠かせない」。住宅トラブルの相談に助言をするNPO法人住環境健康情報ネットワーク(愛知県一宮市)理事長の中井義也さんは、このように指摘している。

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