エコ住宅トラブル(2) / 日経BP

「エコ住宅トラブル」の第2回は、既存住宅で気密性の高いサッシに交換したことに伴うトラブルを紹介する。換気計画を見直さないと、すき間風が入るようになるだけでなく、一酸化炭素中毒を招く恐れもあるという。

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 レンジフードを作動する度に、家中のコンセントや畳の縁など、すき間というすき間からスースーと風が出てくる──。環境設備コンサルタント(東京都杉並区)社長の山本廣資氏は、東京都設備設計事務所協会を通してこんな相談を受けた。

 トラブルが起きたのは、築50年の戸建て住宅。リビングなどの内装をリフォームした際、窓も新しいサッシに交換した。既設のレンジフードは同時給排気型を使用している。排気量は260~480m3/時の3段階に切り替えることができ、給気量はそれぞれ約40%だ。窓を開ければ、すき間風は収まるという。

 コンセントや畳の縁から風が入ることから、建て主は「内装工事に不備があったのではないか」と疑っていた。

 これに対し、山本氏は「サッシ交換で室内の気密性が飛躍的に高まり、同時給排気型のレンジフードであっても給気量が足りなくなったのが原因だ」と見る。

 現在販売されているサッシは、昔の製品に比べて気密性が格段に高い。新築時に取り付けたサッシは気密性が低く、すき間から自然に給気がなされ、レンジフードの排気量とバランスが取れていた。

 「サッシからの給気が減った分、室内が負圧となり、他のすき間から空気が引っ張られたのだろう。同様の問題は、内窓を新たに設置する場合にも起こり得る」と山本氏は指摘する。

(イラスト:北村公司)
 
 CO中毒の危険も

 山本氏は「すき間風が吹き込む以外にも、窓の高気密化によるトラブル事例はある。事前の対策が必要だ」と警鐘を鳴らす。 

 例えば、換気扇を運転すると、「排水口からトイレや下水のにおいが上がってくる」「サッシのすき間が小さくなったせいでビュービューと音が鳴る」「玄関や室内のドアの開閉が重くなる」など。

 恐ろしいのは、CF式やFE式などの半密閉式ガス器具を使用しているケースで、室外へ排出されるべき排気が室内に逆流する懸念があることだ。

 最悪の場合、一酸化炭素中毒による死亡事故を招きかねない。ガス器具や換気量は従来のままで、サッシだけ交換するエコ改修では特に注意が必要だ。

 また、躯体の気密性が高い鉄筋コンクリート造住宅でサッシを交換すると、居住者や洗濯物などから発生する水蒸気が逃げ場を失い、結露やカビを生じる恐れがある。

 給気口や換気框で対策

 こうしたトラブルを防ぐには、どのような手立てがあるのか。「古い家で窓の気密性を上げたなら、換気についても高気密仕様にしなければならない。換気口を新たに設けるのがよい」と山本氏。

 あるいは、レンジフードを運転する時は必ず窓を開けて十分な空気を入れるように、建て主に伝えたい。YKK AP住宅建材事業部商品企画室ウインドウグループ引違い窓商品室室長の槇浩之氏は「なるべく換気扇に近いキッチンの窓やドアから給気するほうが、冬にリビングなどの居室が寒くなるといった熱ロスを小さくできる」とアドバイスする。

 住宅の高断熱・高気密化が進むにつれて、換気小窓のついたサッシは姿を消しつつある。しかし、断熱サッシのオプション部材として、開閉できるスリットのついた「換気框」をそろえるメーカーもある。

 「気密性能はわずかに落ちるが、レンジフードを運転したときにスリットを開けば、負圧による諸問題の発生を予防できる」と槇氏は話す。

【転ばぬ先の杖】

●古い家で窓だけを新しくすると給気不足が問題になる
●改修で窓を新しくする場合は、換気口も新設する

 

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