人の嗜好と経済効率性の限界 / プレジデント

1年ほど前、4歳になった娘がグズったある夜のこと。ふと思い立って近所をドライブしてみた。軽い振動が心地よかったのか、娘はスヤスヤと寝入った。それからしばらく、子守歌がわりの夜のドライブが習慣になった。

私が学生のころは車を持つことが一種のステータスだった。でも、いまでは若者は車に関心を示そうとしない。「車で出かけるよりも、ファッション雑誌を眺めていたい」という若者が意外と多い。

そうしたなか、新たにカーライフのあり方として都会に暮らす人を中心に注目され始めているのが「カーシェアリング」だ。はたして、車を所有するのとカーシェアリングでは、どちらのほうが経済効率性が高いのかを試算してみよう。

車を使うのは、もっぱら週末のまとめ買いなどのときだけと想定する。だから利用日数は1カ月に8日で、月間の平均走行距離も100キロメートル足らず。また、カーシェアリングでの1日当たりの使用時間は3時間で済ませているとする。

大手カーシェアリング会社の小型普通自動車の場合、この条件だと1カ月にかかる費用は月額基本料、利用料金合わせて2万6500円強(図参照)。そこにはガソリン代や保険料も含まれている。車本体の取得費に見合うコストはすでに利用料などに含まれている。ちなみに入会時の費用が7000円ほどかかるが、ここでは除外して考える。

対してマイカーを保有する場合、車本体の取得費用はもちろんのこと、自動車税、保険料、駐車場代、車検費用などがダイレクトにかかる。200万円で取得したと仮定すると、1カ月当たりの費用は6万2500円強となる。

両者の差は月額約3万6000円。半年では約43万円もの差が生じ、設定した条件下ではカーシェアリングに分があることがわかる。さらに利用時間や走行距離数が少ないほど、カーシェアリングの経済優位性は高まる。戦車やメンテナンスも不要で、時間的な価値も高い。

ただし、通勤に使って利用時間や走行距離数が膨らむと、マイカーのほうが安く済むなど、どちらが有利かは利用形態によって異なる。より重要な点は、実際にこの差をどう捉えるかは価値観次第である、ということだ。

確かに徹頭徹尾、車を移動手段として考えるなら、カーシェアリングのほうが経済効率性は高いだろう。しかし、車を「ステータスシンボル」「非日常空間を満喫するためのツール」として考えるなら、話は変わってくる。そこに移動手段以上の価値を見出した途端、経済効率性など跡形もなく消し飛んでしまう。

依然より少数派になったとはいえ、いまでもアメ車が大好きという人が存在する。「ガソリンをがぶ呑みしてもいい。腹の底に響くエンジン音、欧州車とは違う鷹揚なスタイリングがたまらなくいい」と、GMのトップが聞いたら泣いて喜びそうなことをいう“アメ車ファン”に経済効率性を説いても馬耳東風だろう。

この冬のボーナスも大幅に減額されたこともあり、世の中は「節約志向」一色かのように見える。車もエコカーばかりもてはやされているようだ。しかし。ユーザーのニーズは多様で、どうバランスよくラインアップできるか、自動車メーカーの体力が問われている。

民主党は恒久的な高速道路の無料化のための実験を開始した。しかし、私は高速料金の割引や無料化には基本的には反対である。混雑によって配送業者や商用車の移動効率が下がり、社会全体の利益を損なうと考えるからだ。

せちがらい時代だからこそ、大きな視点で世の中を捉えていきたい。

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