役に立たないバリアフリー住宅(1) / 日経BP

顧客の高齢化が進んでいる。しかも、単身と夫婦のみの高齢者世帯が増えている。身体機能の衰えた高齢者だけで自立した生活が送れるバリアフリー住宅を提供することは、住宅会社の社会的使命だ。だが、バリアフリーの設計は案外難しく、失敗が少なくない。そこで、日経ホームビルダー9月号では、失敗事例や識者の取り組み、介護保険改修についての読者調査などから、高齢者の自立を支える住宅の在り方を特集にした。その抜粋を3回シリーズで伝える。第1回は役に立たなかった事例と原因だ。


 以下の事例は、高齢者のいる住宅で工事を行い、使いにくかったり、不満を残したりしたものだ。読者などから聞いた。こうした失敗がバリアフリー工事では少なくない。国立保健医療科学院統括研究官の鈴木晃さんが介護保険で住宅改修した90世帯を調査したところ、使っていない手すりがあると2割が回答。訪問調査した15件中の8件は改修内容に妥当性が認められなかった。

 

 

要望の言いなりが失敗を招く

 不適切な工事を招く一つとして鈴木さんが挙げるのは、「手すりの設置」「段差をなくす」といった工事の手段が最初に示され、それを建築側がうのみにすることだ。事例1が該当する。

 「これが問題なのは、バリアフリー工事は高齢者側の要望と専門家が必要だと考えることがしばしば食い違い、高齢者側が本当のニーズに気付いていない場合があるからだ。何に困っているかを聞く所からスタートしないと、手段を誤る可能性がある」(鈴木さん)

 例えば段差をなくしてと言われた場合、車椅子で移動するならスロープは有効だが、つまずきにくくするなら急なスロープはかえって危険になる(事例2と3)。

<事例1>
(イラスト:勝田登司夫)
(イラスト:勝田登司夫)

 

<事例2>

 

<事例3>
(イラスト:勝田登司夫)
(イラスト:勝田登司夫)

 

 

 入院中の工事は失敗のリスクが高まる

  二つ目の原因は、高齢者側へのヒアリングや動作確認、試し使用が不十分なことだ。身体状態や介助の方法は千差万別で、マニュアルや自分の経験で判断できるものではない。 

 最も失敗の多い場所として、鈴木さんが挙げるのは浴室だ(事例4)。入浴動作は身体状態の違いで差があるうえ、湯を張った状態での動作確認が困難だからだ。 

 入院中の工事はさらに失敗のリスクが高まる。「入浴は外部サービスも利用できるので、工事を急がず情報収集を念入りしてほしい」と鈴木さんは話す。  

 事例5のようなデザインに対するクレームも少なくない。「いかにも身体の不自由な人がいます」といった手すりやスロープも、同居者の不満を招く恐れがある。 

<事例4>
(イラスト:勝田登司夫)
(イラスト:勝田登司夫)

 

<事例5>
(イラスト:勝田登司夫)
(イラスト:勝田登司夫)

 

 以下に、鈴木さんへの取材と失敗事例をふまえた、「バリアフリー設計 失敗の法則」をまとめた。●バリアフリー設計 失敗の法則 

法則1 住まい手の言う通りに施工してしまう 
法則2 手段を最初に決めて、何に困っているかを聞かない
法則3 住まい手と介助者の動作確認を怠る(入浴動作は特に見逃しが多い)
法則4 マニュアルをうのみにする
法則5 従来の常識や健常者の感覚で設計する
法則6 住まい手の試し使用を怠る
法則7 高齢者が入院中に工事内容を決めてしまう
法則8 ケアや医療の専門家のアドバイスを受けない
法則9 段差解消にスロープを多用する
法則10 デザインや見た目の配慮を怠る 

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