ゼネコン将来像(下) / 建設通信新聞

国内建設投資の縮小が鮮明になり、量を積み上げて成長する時代は終焉を迎えた。海外に打って出る「領域拡大」と周辺分野に踏み出す「業容拡大」が、残された成長への選択肢としてクローズアップされる。ただ、いずれもビジネスの幅は広がり、必然的に企業を支える技術者の能力も役割も、大きく変化せざるを得ない状況が到来する。
 「トンネルを掘ることと直すことには技術的なレベル差はない。受け止める技術者のプライドに差があるだけだ」と、熊谷組の大田弘社長は変化への順応を強く訴える。「氷河期には恐竜ではなく、動き回れるトカゲの方が生存率は高い。思考回路を切り替えないといけない」
 「氷河期に生き残ったのは恐竜ではなく、変化に対応できたほ乳類であった」と例える大成建設の山内隆司社長にも、共通した考え方が根底にある。「この適者生存の時代には、生き残りをかけ変化しなければいけない。いま、建設業は転換点に差し掛かっている」と強調する。
 ゼネコン各社では海外市場を意識し、グローバル人材の育成に乗り出す動きが加速、東南アジア地域を束ねる統括拠点や、世界規模でプロジェクト情報を入手する営業拠点を置くなど新たな組織機能の検討も相次いでいる。業容拡大ではリニューアル専門やビルマネジメントなど周辺領域のグループ会社を拡充する動きが鮮明になってきた。
 事業規模を問わず各社に共通するのは、現有勢力でビジネス領域を広げようとしている点だ。組織内で機動的に人材のシフトを押し進め、変化に順応する組織を構築しようとしている。例えば飛島建設の篠部正博社長は「土木と建築の双方を融合したエンジニアリングの視点から事業を構築していく」との考えを明かす。新たな試みとして土木系コンサルタント会社との連携も視野に入れる。双方の人材交流を活発に行い、弱点を補う関係構築を期待する。
 その先には、将来を見据えた「点」(施工)から「線」(トータルサービス)への事業転換がある。「単純にハードを追っても商機はない。ものづくりは情報・通信・サービスとの組み合わせで高度化される」。現在の「顧客獲得型」から脱皮し、「顧客維持型」のビジネスモデルへの転身を強く意識している。
 「本業だけで成長することは難しい。高付加価値をどうちりばめていけるかが勝負」と力説するのは清水建設の宮本洋一社長。オマーンで可動式プラントを開発、中東で原油採掘時に発生する「油田随伴水」の処理事業をターゲットにシステムを売り込み、本業につなげる。「特に環境分野は技術の組み合わせを駆使すれば、新たなビジネスの可能性が導ける。そこにはソフト的な発想が強く求められる」と手応えを感じている。
 「営業、設計、施工の三位一体で仕事をする時代」と確信している鹿島の中村満義社長も発想は同じだ。薬用植物「甘草」の水耕栽培システムの開発は日本初となり、生産工場の建設から栽培、出荷に至る事業パッケージとしての売り込みを目論む。「本業をやりながら自由に発想することが重要で、仕事の延長線上に新たな発見がある」。そこには施工者ではなく、むしろ“事業プランナー”としての顔がある。
 洋上風力発電や太陽熱発電などの自然エネルギー分野を、新たな事業領域に見据える動きも高まっている。前田建設の小原好一社長は「いますぐにではないにしろ、将来的には建設業が適正な本業利益を織り込み、自らが事業や市場を創出する時代が到来するだろう」と見通す。
 現在の建設投資には、建設業の成長を後押しする余力はない。ただ、その切り口によっては活躍の場が広がり、新たな役割が求められる可能性を秘めている。問われるのは建設事業に結びつける糸口をいかに見いだすか。「造る」から「創る」へ。事業を成功に導く建設技術を駆使した“知恵比べ”の時代が到来しようとしている。

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