室内から窓交換 / 日経BP

 「窓を交換できることをエンドユーザーは意外と知らない」。こう話すのはYKK APウインドウグループリフォーム商品室室長の奥武雄さんだ。住宅エコポイントなどの導入によって注目が高まる内窓。それとは対照的に、外窓交換は「なかなか採用に至らない」(奥さん)。そこで開発したのが「スマートカバー工法」だ。

 下の写真が、スマートカバー工法で窓を交換している現場(I邸)の様子。同工法は、YKK APとパートナー契約を結ぶ建材流通店「MADOショップ」限定で、施工までを一貫して取り扱う。

I邸での施工の様子。スマートカバー工法は他メーカーの住宅用サッシにも取り付けられる。この現場では、1階で作業スペースも十分にあったため、室外から取り付けている(写真:日経ホームビルダー)

I邸での施工の様子。スマートカバー工法は他メーカーの住宅用サッシにも取り付けられる。この現場では、1階で作業スペースも十分にあったため、室外から取り付けている(写真:日経ホームビルダー)

 

スマートカバー工法で新設サッシを取り付けた際の断面図。断熱性能などは新設サッシが持つレベルを確保できる。「フレミングII」の単板ガラスの既設サッシから「エピソード」の同等サイズへ交換した場合、ガラスの見付け面積は約13%小さくなる(資料:YKKAP)

スマートカバー工法で新設サッシを取り付けた際の断面図。断熱性能などは新設サッシが持つレベルを確保できる。「フレミングII」の単板ガラスの既設サッシから「エピソード」の同等サイズへ交換した場合、ガラスの見付け面積は約13%小さくなる(資料:YKKAP)

 

雨戸付きにも対応

 スマートカバー工法は、「室内から施工できる」「雨戸付きでも取り付けられる」──この2点が最大の特徴だ。従来の窓交換の工法には、外壁を壊して既設サッシを取り外し、新設サッシを設置する「カット工法」、既設サッシ枠を覆うようにして新設サッシ枠を取り付ける「カバー工法」がある。

 一般的なカバー工法は、カット工法とは異なり外壁を壊さずに済むが、室外からしか施工できない。そのため、2階以上に取り付ける場合は、足場が必要だった。

 スマートカバー工法は室内から施工できる。既設サッシの網戸レールよりも内側に新設サッシを取り付ける仕組みとしたため、雨戸と新設サッシは干渉しない。

 主な施工の工程は、次の通り。まず既設サッシの室外側レールに、専用部材(下枠アタッチメント)を取り付ける。次に、「ジョイント枠」を使って既設サッシ枠と新設サッシ枠を連結し、四方枠にビス留めで固定する。最後に、新設サッシ枠と既設サッシ枠のすき間をカバーする「窓額縁」を室内側に取り付ける。1窓の施工に掛かる時間は約2時間。最長でも半日で済む。居ながら施工も可能だ。

 I邸の施工を担当したMADOショップ千葉花見川店店長の古賀勇二さんは、「足場が要らず、雨戸付きでも取り付けられるので提案しやすい。窓まわりの印象が劇的に変わるので、お客さんは施工後の窓を見ると、『わっ』と驚く。窓額縁のデザインもインテリア性が高い」と話す。そのうえで、次のようにアドバイスする。「室内側床面から立ち上がりができることは、必ず説明する必要がある。ウッドデッキを敷くことなどを提案している」

床面からは約50mmの立ち上がりができる(写真左)。幅90mmの窓額縁を取り付けると、室内壁面から約1cmの段差ができる(写真右)(写真:日経ホームビルダー)

床面からは約50mmの立ち上がりができる(写真左)。幅90mmの窓額縁を取り付けると、室内壁面から約1cmの段差ができる(写真右)(写真:日経ホームビルダー)

 

 I邸は、築37年の木造住宅。スマートカバー工法を使って計14窓を交換した。Iさんは「内窓は2回開閉するのが煩わしそうで採用したくなかった。新しい窓にしてクーラーの効きが良くなった。室外からの音も静かになって、ぐっすり眠れる」と感想を話す。

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