建設マスター・現代の名工など総合評価で加点 / 建設工業

近畿地方整備局は、総合評価落札方式で、建設マスターと現代の名工、技能士(特級・1級)についての評価を標準I型で試行する方針を固めた。現場の品質確保向上に向けた取り組みとして、現在実施している基幹技能者の評価に加えて実施する。建設マスターと現代の名工は1点、技能士は0・5点をそれぞれ加算する。基幹技能者と同様に「現場従事技能者の能力」の項目に入れ、加算点は最大2点となる。年内をめどに試行を開始する。
 建設マスターは、建設現場で工事施工に直接従事し、優秀な技能・技術を有する建設技術者を「優秀施工者」として国土交通大臣が顕彰する通称で、5月現在、顕彰者数は6883人で37職種ある。現代の名工は、卓越した技能をもって労働者の福祉の増進と産業の発展に寄与し、技能者の模範と認められたことにより、厚生労働大臣から技能者表彰を受けた者。09年度表彰時点で4988人の表彰者がおり、建設に関する職種は11種類ある。
 また、技能士は実務の経験を通じて習得された技能および関連する知識を有する者、職業能力開発促進法に基づく技能検定に合格した者をいう。59年から国家検定制度として実施され、職種により特級から3級まで等級区分が設定されており、今回の評価対象は特級と1級のみ。136職種で実施されており、このうち建設業にかかわる職種は25職種。
 近畿整備局では、これら現場従事技能者の評価について、WTOを除く標準I型の総合評価落札方式を対象に加点。発注者があらかじめ配置を求める職種を限定し、対象となる技能士を明示する。1職種1人でも配置すれば加点し、複数配置は累積するが最大2点とする。下請企業(元請も可)と直接的かつ恒常的な雇用関係を条件とし、対象工種の施工期間すべてに従事することを求める。評価された従事者については、受注後、施工計画提出時に確認できる資料を提出しなければならない。営繕工事については、技能士の配置を特記仕様書で義務づけているため、評価対象外となる。技能士の総合評価方式での評価は、直轄では近畿整備局が初めて。

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