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 日経ホームビルダーは、住宅の新築やリフォームで発生しがちな顧客からのクレームの内容を知ることで得られる教訓を、「クレームに学ぶ」として連載しています。ここでは、2012年7月号に掲載した内容の一部を紹介します。


 40歳代の女性のAさんは、現住所から遠く離れた地域にあるマンションの住戸を買い、リフォームすることにした。築30年を超える物件だ。内装の更新や間取り変更などを約300万円で建設会社B社に発注した。

 設計の段階ではAさんは何回か現地へ赴いて、現況の図面やリフォームの設計図書を見ながらB社と打ち合わせをした。設計が固まり、着工した後は現地へ行かず、B社との連絡は電話だけで取り合うことにした。遠隔地の現場へ行くのは難儀だったためだ。設計が固まった以上、後は現場へ行かなくても工事は図面通りに進行すると思っていた。

洗面所の間口などが変更に

 ある日、B社の担当者から電話で間取り変更の連絡がきた。洗面所の出入り口の幅を設計時の750mmから600mmに、寝室の広さを約6畳から約5畳に変えるという内容だ。そのときB社は間仕切り壁の設置を終えていた。変更の連絡が事後報告だったためにAさんは怒った。

(イラスト:柏原昇店)

 

 Aさんは住宅リフォーム・紛争処理支援センターに相談。工事のやり直しをB社に求められるかと尋ねた。同センターは、「B社が勝手な判断で間取りを変更したのならば契約不履行となり、Aさんはやり直しを請求できる場合もある」と答えた。

 B社がなぜ着工後に間取りを変更しようとしたのかや、事前にAさんの了解を得ようとしなかった理由ははっきりしない。着工後の連絡手段となった電話が、間取り変更の説明に不向きだったことは確かだ。

 リフォーム会社のライフデザイン(東京都千代田区)は着工後に間取り変更の必要が生じると、必ず事前に図面で顧客に説明して了解を得るという。「図面を電子メールで送れない場合は郵送する。場合によっては社員が持っていく。手間は掛かるが、顧客に無断で間取りを変えるのは禁物だ」と、同社で接客を担当する山口裕子さんは話している。

 同社によると、マンションのリフォームで洗面所のような水まわりの間取りは、着工後に変えざるを得なくなることが少なくない。よくある原因は上下水道など配管類が通っているパイプシャフトの位置だ。竣工図と異なることが着工後に分かる場合もある。「洗面所の出入り口は、住まい手が洗濯物を抱えて行き来することが多いので、寸法は重要だ」と山口さんは付け加える。

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